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2010年05月18日

サウンドマスターへの道 #14

 お久しぶりです。営業技術部の梅田です。


 <前回までのあらすじ>
 スピーカーシステムの音響調整をする時の最終判定について述べています。前回はチェックが終了したスピーカーをイコライザーで調整した所まで来ています。


 <今日のはなし>
 前回いきなりプロセッサーとかイコライザー調整とか出て来て「何のこっちゃ?」と思われた方が居ないとは限りません。ちょっと寄り道して大雑把に説明してみます。

 人間の耳で聞こえる音の範囲はざっと20Hz~20,000Hzと言われています。このHzはヘルツという単位で1秒間の振動数のことです。何が振動しているのかと言えば空気と一般的にいっておきます(水とかも有りなので)。音の周波数と言います。

 振動数が少ないといわゆる低い音になります。擬音にすると「ゴー」とか「ボー」とかですかね、地震の時の「わたわた」「ゆさゆさ」みたいなのはもっと低くて重低音と言われる20Hzに近い方の音ですね。

 中間の振動数だと「ポー」とか「ピー」とかの聞きやすい音になってきます。逆に言うと耳障りな音にもなり、茶碗をカチャカチャさせたりフォークとナイフでチンチン音を出すと周りからうるさがられます。
 人間の会話も多くはこの中音域で行われています。

 振動数が多くなると高い音になります。「チー」や「シー」みたいに擬音にすると歯擦音(歯の間から空気を出して発する音)になりますね。

 この低音、中音、高音と3つの音の帯域で音量を調整できるとしましょう。全部の音量を調整するのはボリュームなんて言いますが、今度は音の帯域ごとに調整できるボリュームで、それがイコライザーです。EQなんて言われたりします。
 全帯域を3つに分けて調整できる3バンドのイコライザーになります。
 スピーカーからシンバルの音がやけに大きくシャンシャンいってうるさい時には高音のボリュームを下げると聞きやすくなるでしょう。

 低音、中音、高音のそれぞれの中をまた高、中、低の3つに分けてボリュームを作ると9バンドのイコライザーになります。この位あると少し細かな調整が出来そうですね。

 グラフィックイコライザーという機器があって、周波数割りをしたボリュームが上下にスライドして動く仕組みになっているのですが、31バンド程の物が現在主流になっています。全部の帯域を31に分けて調整できる訳ですから大分細かい事が出来ます。

 それとは考え方の違うイコライザーでパラメトリックイコライザーという物があります。今度は「どの周波数を中心に」「どれくらいの範囲で」「どの位の音量で」という調整の仕方になります。例えば「250Hzを、1オクターブの幅で、-3デシベル」とかの方法で調整します。4バンドから8バンドの物が主流です。最近は割と手に入れやすくなった物ですが20年前だとまだあまりお目にかかれなかったですね。

 わたしの場合は基本的にこのパラメトリックイコライザーを使ってスピーカーの音を調整します。と言うか現在では一般的にその方法が主流になっています。
 さっきも言った通り昔はグラフィックイコライザー(次からはグライコ)しか出回って無かったものですから、各地のホール機材でもPA屋さんでもスピーカー調整は主にグライコで行われていました。今でもグライコしかないホールもありますが、、
 わたしの場合は基本的にどんなイコライザーでも調整します。(?)

 所でさっき「周波数は250Hzで」とかの話に出てくる250Hzですが、どうしてその周波数を決めるのかと言うと、これは経験上覚えている周波数になっていてホールの響きが多い部分を聞いて、すらっとその周波数を確実に言い当てるのです。長く音響屋をやっている者には朝飯前のことです。

 ところが最近ボロが出て来て割と外していることがバレて困っていたら、世の中には実に色々な周波数分析器が有り助けられています。特にパソコンを使うものが一頃に比べると値段も安くなり数多く出回っています。昔の専用機は一口100万はしたものです。

 パソコン画面を見直して「あっ、ごめん。250Hzじゃなくて120Hzだった」なんて冗談にならない外し様だったりして、、、嘘ですけど。(嘘か?)


 長くなったので今日の話はここまで。
 サウンドマスターへの道は遠い。

 <つづく?>



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